「チームビルディングって言っても何から始めたらいいの…?」という人へ。ランチや人材育成など社内業務をうまく活用して、チーム力を高める方法がある!チームビルディングを仕組み化して、成長している福岡の中小企業を紹介します。
小畠さんが社外インターンで勤めた『有限会社ゼムケンサービス』は建築業では珍しい女性建築家が活躍する企業。内閣府「女性が輝く先進企業表彰」受賞など、女性活躍推進企業として全国的にも注目の高い企業の実際を、小畠さんは直に体験した。
研修で社内の 共通言語 を増やす!
外部から得る学びと刺激が社員の成長と団結力アップの鍵。
北九州のサービス産業をリードする組織が門司区にある。1903年創業の老舗『橋本食品株式会社』。4代目となる代表取締役社長・橋本和宏さんが就任後、社内改革を断行。テレビに7回も紹介された唐揚げ「テレから®」のブランド構築をはじめ、「シェフのいる肉屋」「恋の実るお肉」など他社とは一線を画すユニークな店づくりを推進。また、社長自ら応援するJリーグチーム「ギラヴァンツ北九州」とのタイアップなど地域振興にも意欲的。その取組みは「北九州市サービス産業先進的モデル企業事例集」にも紹介された。
橋本さんが社内改革の主眼に置いたのが、社内のIT化と社員研修システム。社外から専門家を招いて研修を行ったり、以前は橋本さん一人で参加していた東京での経営勉強会にも、数年前からは社内選抜メンバーを連れて通っている。「研修や勉強会を共に経験することで、私も社員も同じ情報や刺激を受けられます。社外で学んだことが、そのまま社内の 共通言語 となって、その後の組織運営や会議の場でもスムーズに話が進むようになりました」と橋本さん。また、社員の能力もめきめき開花。入社23年目の門村薫さんも研修システムによって成長を遂げた一人。「会社の中だけにいると視野が狭くなっているのを感じていました。ですが、研修や勉強会に参加するうちに、自社の現状を客観的に見れるようになり、社長が会社をどう成長させていきたいのか同じイメージをもてるようになりました」。研修で専門知識を身につけながら社内のIT化構築を一手に担い、この春からは社内初の女性管理職として管理部の課長に就任する。
また、入社4カ月の新入社員・小畠彩香さんは、社外研修制度を経験。1カ月間、社会人インターンとして地元の優良企業に勤務。女性社員が多く活躍するその企業の風土や働き方、組織づくりのヒントを日常業務から学んだ。「お肉や惣菜は女性が買うことが多いです。企画や商品作りに女性の声やアイデアを活かして業績を伸ばしている会社に勤めた経験は大きな糧になりました。学んだヒントを社内に還元したい」と意欲的だ。社外からの刺激的な学びを共有することで、社員のモチベーションと団結力を醸成。人材育成が、いかに組織づくりに重要なインパクトを与えるかを示す好事例だ。
社内IT化の一環で「e-ラーニングシステム」を構築。現場の作業工程から会社の経営理念方針に至るまで、全社のあらゆる情報を動画で共有し、遠隔地からも即座に見れるように。17店舗すべての現場スタッフや店長など現場の社員全員で、同じ知識やノウハウ、技術、理念まで共有できる仕組みだ。
「会社の目指す方向は分かっているので、現場にその意識をどう落とし込むかが私の役割だと思っています」と管理部課長の門村さん(写真左)。写真右は代表・橋本さん。
橋本食品株式会社
事業内容/食肉の販売、惣菜・すしの販売
住所/北九州市門司区栄町9-23
TEL/093-331-0298
URL/http://www.hashimoto-foods.jp/
従業員数/正・準社員30名、パート・アルバイト約150名
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