キャリア

イクボスが、家族を、企業を変える

家族と自分を大切にできる働き方で、社員のモチベーションや使命感を高める。それをすでに実践し、チームや会社の成長に繋げているイクボス&企業を取材しました!

仕事好き、子ども好き!どっちもやめられない〜。
【アクサ生命保険株式会社】

木原大助さんはイクメンが管理職になるとイクボスになる、というお手本のような人だ。13年前に今の会社に転職し、現在はマネージャーとして8名の男性部下を育成する立場。個人の実力主義のイメージが強い保険の営業、それも男ばかりのチームといえば、さぞやしのぎを削りあう仕事一筋集団のような感じかと思えば、そうではない。妻の体調が悪くて早めに仕事を切り上げた社員の替わりに、別のメンバーがその後発生した彼のお客さんのフォローに動く。子どもの授業参観があるから、予定していた会議を別日にずらす…こんなことが日常茶飯事に行われているという。「女性がお互いに融通しあうケースは割と見るけれど、男性のみのチームでこれだけお互いをバックアップしているのは珍しい」と彼のチームをよく知る人はいう。

なぜこういうチームが作れるのか。一番の理由は木原さん自身、妻や子どもが大好きで、率先して家族を大事にした行動を取るからだ。4人の子どもたちが保育園に通っている頃は妻と先を争うようにお迎えに行き、子どもたちが習い事を始めたら一緒になって習いだす。休日に遠方の商談が入れば家族ごと連れて行き、仕事が終わればそのままレジャーへ突入。こういう上司の姿を見て、部下もまたそれが当たり前の感覚になっていく。営業の行動計画を立てるミーティングの横でメンバーの子どもが宿題をしていることもあるという。

家族とうまくいけば、もっと仕事が楽しくなる

木原さんには「一つでも多くの幸せな家庭を作りたい」という使命にも似た強い気持ちがある。 保険は死んだ時だけ必要なものではなく、家族が幸せに生きるためのもの という考えに共感し入社して以来の仕事の原点だ。

「それにはまず自分たちが幸せな夢を描き、幸せな家庭を作ることから。そうじゃないとお客様と一緒に夢は語れないでしょ。だから父親にもたくさん家族との時間を作って、今この時しかない!っていう子どもの成長の節目を一緒に過ごしてほしいんだよね。この仕事なら、育休を取ることだってきっと営業ツールになる。今度部下に子どもが生まれるから、育休取らせようかな」 。

家族と過ごす幸せな時間がモチベーションばかりか仕事のスキルまで上げる。身をもってそのことを実践してきた木原さんが所属する北九州FA支社は全国の支社の中でも顧客満足度1位という高い成績で実績を上げている。

チーム木原では仕事で目標達成した時、家族とどんな風に喜びを共感したいか、をイメージさせてくれ、いざ目標を達成した時に、家族からのメッセージが届くような仕組みがあります。家族と時間を共にすることも大切ですが、同じ時間を一緒に過ごさなくても、家族とのつながりを感じる工夫をしてくれています。また、チームでの花見などのイベントは、基本的に皆家族連れでの参加。社員が、それぞれの家族と面識ができて、チーム木原が大きな家族のような感じです。休日や夜に商談が入ることも多い仕事ですが、それでも家族とのつながりを感じていられるような、アイディアやきっかけを提供してくれるのが嬉しいですね。

 

 

社員のライフイベントは、リスクではなく企業が成長を遂げるチャンス!
【五洋食品産業株式会社】

「女性の判断力と瞬発力に驚きました」。代表取締役・舛田圭良さんは、女性の能力に改めて気づかされた四年前の出来事を振り返る。福岡市博多区から糸島市(前原IC南産業団地)へ、本社と工場を移転。遠方のため、それまでの商品製造経験者のうちパート、アルバイトの約8割が通えなくなり、地元の新人と入れ替わった。新工場で稼働を再開するも未経験者ばかりで現場は混乱し、稼働が著しく低下するという事態に。肝心の商品が供給できないためクレームが殺到し、退職者を出してしまった。

そんな状況を解決に導いたのが、入社3年目の女性。外部対応に追われる社長と、右往左往する社員たちの間で、社内をコントロールした。そして、クライアントにどんな対応が必要かを考え、自らそのつなぎ役を買って出た。結果、事態は収束。「会社に今何が必要かを判断し、行動できる彼女は、経営ボードに必要だと感じました」。荷の大きさに躊躇する彼女と何度も話し合い説得し、取締役に抜擢。洋菓子製造という業種は消費者のほとんどが女性であり、女性のリーダーシップと管理能力の高さを目の当たりにしたことで、経営者として「これからの会社の成長には女性の力が欠かせない」と感じた出来事だった。

仕事と生活の充実感が、社員のやる気を引き出し、会社の成長を後押し。

現在47名いる社員のうち女性は24名(現在産休中2名)。産休・育休を取得し、子育てしながら働き続ける女性社員もたくさんいる。ここでは、産休・育休取得者の代替要員として正社員を新たに雇用するので、誰かが産休・育休を取得するたびに社員がどんどん増えていくのだが、「人員コスト」とは捉えていないという。

「コストでなく先行投資。社員が一人増えた分、会社が成長すればいいんです。私は、そうして戻ってくる人の受け皿であるために、会社の事業発展が必要だと考えています」と舛田さんは語る。それは実際に業績にも現れていて、同社は毎年前年比10~15%の増収を続け、5年前7億円台だった売り上げは直近では13億3千万円に。一人ひとりのワークライフバランスや意欲に応じて配置を行うことで、社員が情熱や使命感を持って仕事に取り組む好循環ができているのだという。

「私は創業者ゆえにそのすべてを会社に注いだが、これからの若い世代には仕事も子育てもどちらも楽しんでほしい。社員のライフイベントを支援するのも、トップの責任ですから」。

やりたいことに挑戦させてもらえ、責任ある仕事を任せてもらえる会社に感謝しています。以前、生産部署でスランプに陥っていたとき、「商品を考えてカタチにしてみたい」と言っていた入社時の私の言葉を覚えていてくれた舛田社長が、商品開発に抜擢してくれました。商品や品質レベルを上げるために、マーケティング、企画、開発、管理とやりたいことはたくさん。忙しいけれど楽しくて仕方ありません。役割さえきちんと果たせば、仕事も子育ても自分の裁量で行えるので、両立で困ったことはナシ。制度整備より「仕事への情熱が持てるか」が、仕事と子育てを両立するうえで一番大切だと感じる日々です。

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