インタビュー

中村裕子さん/決めたら、もう迷わない!即断即決の潔さが道を切り拓く鍵となる。

中村裕子(なかむらゆうこ)さん
フリーランス講師
『ウーマンスキルアップアカデミー』 広報
大学卒業後、渡豪し放浪の旅へ。マレーシア航空でCAを務め、退職後はエアラインスクール講師となる。娘の出産と育児、実母と祖母の闘病中にもSNSでの情報発信を続ける。復職後は大学・専門学校で就職活動・面接指導・TOEIC・英検の講師、「コミュニティラジオ天神」のパーソナリティなど多方面で活躍。また、2015年6月に開校した『ウーマンスキルアップアカデミー』広報を務める。
http://www.awijapan.com/

決めたら、もう迷わない!即断即決の潔さが道を切り拓く鍵となる。

開口一番、「27歳はまさに仕事や結婚についてあれこれ考えていた時期でした」と中村裕子さん。キャビンアテンダントからエアラインスクール講師に転身し、結婚出産後はラジオのパーソナリティとしても活躍するなど華やかな経歴を持つ。凛とした笑顔とオープンマインドで親しみやすい雰囲気が印象的な女性だ。

やりたいことをなんでも叶え、ほしいものをすべて手に入れているような中村さんも、かつては「社会から切り離され、自分は必要とされていないのでは」と無力感を味わった時期もあったという。先の見えないトンネルを抜け出すきっかけになったのは、「即断即決」の信条とSNSでの「情報発信」だった。

世界を知れば知るほど「教育」の重要性を痛感

大学卒業後に「自分を鍛えたい」と単身渡豪。今思えば無謀な放浪の旅も経験し、メンタルが鍛えられた。偶然求人が出ていた外資系の航空会社の試験を受け、マレーシア航空に入社。過酷なトレーニングを乗り越え、文字通り世界を飛び回る日々を送った。そして行く先々の国で日本とは違う「世界」を目の当たりにした。勉強が罪とされる地域で命がけで本を読む若者の姿、日本人である自分が知らない日本の歴史を語りかけてくる人々、間違った教育は洗脳そのものだと危機感を抱いたという。

そんな中、2001年9月11日に起こったアメリカ同時多発テロ。「命のはかなさを痛感し、自分に一体何ができるのか葛藤しました」。それが27歳、転機になった。「キャビンアテンダントの職を捨ててでもやりたいことは、人を育てる仕事だ!」と直感で即決。中村さんは何事もやるかやらないかの二択で、一度決断したら二度と迷わないという。迷うことでエネルギーを浪費するより、その分前へ前へと進んでいくのだ。

情報発信を通してマルチタグな生き方を楽しむ

その後、エアラインスクールの専門学校講師を6年勤め、育児と介護をきっかけに離職。「これまで自由奔放に生きてきた自分に、家族と向き合う時間が訪れたのだと思いました」と振り返る。やるべきことをこなしながらも、世の中の流れから置いていかれているような感覚を味わった。

そこで、闘病する家族を支える気持ちや育児の悩みなどを当時まだ珍しかったブログで発信し始めたところ、同世代の女性の共感を呼び、やがてサークルを作っての交流活動へと発展。自分が何を考えているか、女性が何を求めているかを常に発信し続けることで、やりたいと思っていたことが次々と叶っていった。

「ラジオ番組を持ちたいという夢も、大学で教育に携わりたいという願いも、すべては口に出したから協力者が現れました。私の思いに共感し、引っ張り上げてくれたんです」。今後は、将来に不安を抱える30代以下や社会復帰を目指す40代以上といった幅広い世代の女性を対象にしたアカデミーでスキルアップのサポートをしていきたいという。

仕事か育児の二択で悩むのではなく、自分という人間に「講師」「ママ」「妻」「コラムニスト」とどんどんタグづけしていく感覚で人生を豊かに楽しもうという考え方を、マルチタグライフと呼ぶと中村さんは教えてくれた。まさにそれを体現する彼女。「女性の可能性は無限大。どんな人の中にも、まだ知らない自分と出会えるチャンスが眠っているはずですよ」と微笑んだ。

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