インタビュー

原田 謙剛さん/ピンときたらすぐ行動。 音楽を核として さまざまな人々が集う コミュニティを作りたい。

原田 謙剛(はらだけんごう)さん
『SPITAL』『スピタルハコザキ』店主
イベントプロデューサー・DJ

北九州市八幡生まれ。クラブカルチャーにハマり、地元の大学を卒業後東京へ。2003年にロンドンに渡り、音楽関係の仕事などに従事。2006年福岡に戻り、会社員として働く。2010年北九州市室町に『SPITAL』、2015年福岡市箱崎に『スピタルハコザキ』をオープン。

 

原田さんへ3つの質問

Q.この仕事に向いている人は?
A.新しい物事や人に興味があり、フットワークが軽い人。

Q.座右の銘は?
A.基本のスタンスは「来る者は拒まず、去る者は追わず」。あと、やりたいことは人に話し実行する「有言実行」型です。

Q.へこむことは?
A.苦手な人とは付き合わないから、ストレスがたまったり落ち込んだりすることはほぼありません。あえて言うなら、ライブの集客が少なかったときはへこむかな。

ピンときたらすぐ行動。 音楽を核として さまざまな人々が集う コミュニティを作りたい。

昔ながらの風情が残る箱崎商店街の、細い路地からさらに奥まったところに佇む古民家。おそるおそる玄関を開けると、店主・原田謙剛さんがさわやかな笑顔で待っていた。ここは2015年7月にオープンしたミュージックカフェ+多目的スペース『スピタルハコザキ』。多様な肩書を持つ原田さんの経歴と思いは、実にユニークだ。

クラブ、英国…好きなことへ一直線

北九州で生まれ、高校生でクラブミュージックに目覚めた。DJを始めて、大学卒業後はクラブカルチャーを堪能すべく東京へ。IT企業や飲食店などでアルバイトして、週末はクラブへ繰り出す日々。だが「楽しすぎて、このまま年を取りかねない」と23歳で渡英を決断した。

憧れのロンドン。語学学校に通うも「最初は寒くて暗くて、ホームステイ先とも相性が悪く、ストレスが募った」と明かす。だが、音楽プロダクションのアシスタントやDJ、レコードの仕入れなど、得意な音楽の分野で経験を積み、どんどん人脈を広げた。週末にはマーケットやイベントに出かけ、海外生活を満喫。さらにゲストハウスをプロデュースして、多彩な人が集まるコミュニティの面白さを実感したという。ロンドンでの経験が原田さんの原点となった。

人と人をつなぐ場を次々と生み出す

27歳で福岡へ戻ると、大手企業のサラリーマンとなり資金を貯め、2009年30歳で念願のスペースを立ち上げた。小倉北区室町の小さな路地にある長屋の一角。わずか4坪2階建ての『SPITAL』には原田さんがセレクトしたBGMが流れ、珈琲やお酒を提供し、CDの販売も行う。国内外からアーティストを招いてイベントをすることも。こぢんまりした空間に学生からおじいちゃんまで幅広い年代の人が集まり、自然と交流が生まれている。

さらに企画が広がり、大ホールで定期的にLive+マーケット「SPITAL MARKET」を開いたり、イベントのプロデュースを依頼されるなど、人と人・音楽をつなぐ活動も行う。「小さな店だからこそ、誰もしないこと、人が驚くことをやりたくて。来る話は断らない」と潔い。

『SPITAL』は日替わり店主を立て、2015年7月に「スピタルハコザキ」をオープン。こちらは広々とした一軒家で、アーティストが滞在してイベントを行うこともできる。

隠れ家的な2つの場を生み出した原田さん。「コミュニティを作るのが楽しくて仕方ない。小さな拠点を増やし、40歳で大規模な音楽フェスとマーケットを開催したい。音楽を軸に、人が集まる場を作ることが僕の人生のテーマですね」。

10年後の夢を問うと「自然豊かな地にSPITAL村を作る。カフェやイベント空間、老人ホームなどもあり、若い人から高齢者までいろんな人が暮らすコミュニティ。ね、面白そうでしょ?」と楽しげに語る。どこまでも自由な発想で、人をつなぎ場を生み出していく原田さん。今後に注目したい、まさに“旬男”である。

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