インタビュー

鶴田 貴豊さん/年齢を重ねた今だから、できる仕事がある。

鶴田 貴豊(つるた きとよ)さん
NPO法人 チャイルドケア
サポートセンター 代表

Profile/田川市出身。学校卒業後に結婚し、30代半ばで総合建設会社に入社。経理事務職として20年間勤め、早期退職制度を利用して退職。2003年「NPO法人チャイルドケアサポートセンター」を立ち上げ、北九州市の自宅を拠点に託児事業を始める。2011年3月小倉南区に「北方ママトモ」、2012年9月小倉北区で「魚町ママトモ」を立ち上げる。

年齢を重ねた今だから、できる仕事がある。

小倉の魚町銀天街に2012 年9月オープンした『魚町ママトモ』。子連れママの休憩所、一時託児、常設フリーマーケットがあり、親子向け講座やイベントも開催される子育て支援サロンだ。
代表の鶴田貴豊さんは、訪れる人を明るい笑顔で迎え入れる。
「お母さんたちが安心して働けるように、こういう施設を作りたい! って、ずっと前から思っていたんですよ」。

会社勤めをしながら娘の子育てを応援

20代で2人の娘の母親になった鶴田さん。ママさんバレーに熱中し、PTAでは副会長を務め、みんなから頼りにされる存在だった。「何でもできることはやってみようと思って。好奇心旺盛なんですよね」。育児をしながら、いろいろなことにチャレンジしてきた。
子育てが落ち着いた30代半ば、鶴田さんは知人から仕事を紹介される。「何回もお断りしたんですが、入社する羽目になってしまいました(笑)」。正社員として働き、孫ができてからは積極的に娘の子育てを手伝った。
娘は小学校の教師。子どもが病気のときは保育園に預けられず、仕事との両立は至難の業だった。当時は病児保育の制度がなく、比較的融通のきく鶴田さんが有給休暇を取って孫の世話をした。だが子どもはすぐに熱を出すもの。有給休暇はみるみるうちになくなっていった。
「孫が3人になったとき、思いきって会社を辞めました。娘だけでなく、娘のように頑張って働いているお母さんたちを助けたかったんです」。

NPOを立ち上げ保育事業を展開
「日本の将来はどうなるんだろう。今の状態では子どもが増えない。自分たち団塊の世代の女性が、何かしなければと思いました」。
退職後は、孫の子守りと同時に、近所の人の子育てを手伝う「サポーター」として活動。翌年にはNPO法人を立ち上げ、自宅を改装して本格的に病児・病後児保育とお泊り保育の受け入れを始めた。会員を募集すると、あっという間に300人集まり、需要の多さを痛感した。
子育て支援活動を通して、どんどん人脈が広がった鶴田さん。包容力のある人柄が信頼され、スタッフの数も増えていった。
当初は働くママをサポートしていたが、休職中のママたちも再出発の支援を必要としていることを知り、『北方ママトモ』では託児付きの講座を企画した。そして、もっとたくさんの人が活用できる場として、『魚町ママトモ』を立ち上げた。

街なかに交流の場を
子育て支援の需要は多いが、経営の難しさから託児施設は減っている。そんな中、小倉の街なかにオープンしたママトモは、子育て世代待望の施設だ。
「ぜひ幸せな家庭を持って、子どもをたくさん産んでほしい。サポートはお任せください!」と、鶴田さんは女性たちに力強いエールを送る。
「商店街のお店と連携して、いろいろな講座もやってみたい。この場所にいるということは、街を活性化する役割もあると思っています」。
真っ直ぐな熱意と決断力、そして周囲への温かい思いやり。鶴田さんの自然体のリーダーシップは、出会う人に元気を与え、新しい活力を生み出していく。

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