山下 永子先生
九州産業大学 経営学部 准教授
久留米市生まれ。大学卒業後、地銀、コンサル、調査会社等複数企業に勤務し、調査研究業務に従事する傍ら、2005年に熊本大学大学院にて博士(公共政策学)取得。2006年より(公財)福岡アジア都市研究所にて都市政策研究に従事。2012年豪州BOND-BBT大学院にてMBA取得。2015年4月より現職。
都市マーケティング
都市間競争時代はじまる!福岡は選ばれるまちになれるか?
全国の政令指定都市の中で人口増加率がNo.1の福岡市。今年にも神戸を抜いて全国5位につける勢いで伸びているが、「いま福岡のような“国で4、5番手”規模の都市にこそチャンスがある」と言うのが今回の講師、山下永子先生だ。
「世界に目を向けると人口150万~250万規模の大都市が国際的な地域間競争に乗り出してきています。たとえばシアトルは、経済中枢都市ではないけれどAmazonやスターバックスのような企業が次々と生まれ、住みやすい都市としても広く認識されています。経済一辺倒ではない新たな都市づくりへの取り組みの成果と言えます」。
日本では、世界を意識した都市戦略の推進は稀有なものだったが、人もモノもお金も情報もグローバル化した今、今後は地方都市も世界に目を向けた、国際的なマーケティング戦略が必要だという。
「たとえば、類似する規模と特徴を有す都市どうしでネットワークを結び、事例を学びあい、情報や知恵を交換しあってPR力や競争力をつけるなど、これまでにない形の国際戦略展開がみられるようになってきています」。
実は、福岡市は、都市ブランド力を高めたシアトルが提唱する国際都市ネットワークに参加し、この国際戦略に実践的に取り組む国内唯一の都市。福岡市民としてはなんだか期待の持てる、わくわくする話だ。
今回のゼミでは、福岡市の取組みや都市間競争に挑む海外都市の事例などを聞きながら、自分たちの暮らす都市が世界で存在感を示せるまちになるための都市戦略を思い思いに描いてみよう。