インタビュー

下野 弘樹さん/新しい働き方を実践しつつまちと人の未来を変える場とコンテンツを生み出す

下野 弘樹(しもの ひろき)さん
まちとひとの未来の発明家
『Future Studio 大名+(プラス)』代表

1981年長崎生まれ。東京でNPO支援のベンチャー企業を経て福岡で独立。「まちとひとの未来の発明」をテーマに多分野で新規事業やプロジェクト中心にプランナー・ディレクターとして活動。天神のオフィスビルにて多分野の若い世代が集まるクリエイティブな活動拠点「Future Studio 大名+」運営。多彩な引き出しとつながりを活かして企業やまちの課題に対して新しい視点から創造的なアイデアを小さく生み育てる。

下野 弘樹さんへ3つの質問

Q.仕事の流儀は?
A.物事を常にまっさらな目で見て、受け入れて、しっかり咀嚼する。柔軟性と寛容性が大切だと考えています。

Q.選択するときの基準は?
A.それは心が躍ることなのか、ワクワクすることなのか。そんな自分の感情に正直でいたいと思っています。

Q.休日は何をしている?
A.オンとオフの区別がありません。知らないところに出かけたり、人に会ったり、物事を考えたり。どれも仕事のようで、どれもが仕事ではないような感覚です。

新しい働き方を実践しつつまちと人の未来を変える場とコンテンツを生み出す

「まちとひとの未来の発明家」。そんなユニークな肩書を掲げ、「いつも何してる人ですかって聞かれます」と楽しそうに笑う下野弘樹さん。どこか少年のような自由な空気感を放ち、直感を大切にしながらも冷静に物事を捉え分析して、福岡を舞台に多様な活動を繰り広げている。

失敗しても自分は自分だから恐れずに

長崎で生まれ、福岡の大学へ。進みたい道が見つからず、海外放浪、人材会社、NPO支援ベンチャーなどを経て、福岡でフリーランスになったのは2011年28歳のとき。「生活のために働くのではなく、働き方と生き方をイコールにしたかった。企画を軸に総合力で勝負しようと考えました」。独立に不安はなかったか問うと「失敗しても自分は自分だから、不安は感じません。前向きにどうやるかを考えるタイプ」と言い切る。

興味のあるところにどんどん顔を出し、実体験を積み重ねて「一次情報で自分をいっぱいにしていく」うちに情報が集まり人脈が広がった。フリーで最初に手がけた仕事は、大手百貨店の体験型ギフト。子どものモデル企画をプロデュースしたところ、大当たりした。それから5年、新聞社や企業、まちづくり団体、教育系社団法人などの事業企画や運営を担ったり、ワークショップでファシリテーターを務めたりと、多様なプロジェクトを担当してきた。大半が新規事業、もしくは既存の活動の見直しだ。

「こんなこと考えてるんだけど」と軽く相談されるところから始まり、結局は運営まで任されることが多いという。相談を持ちかけられたら、ひとまず話を聞くのが下野さんのスタイル。「仕事につながるかどうかは結果論。何をするかより、誰とやるかを重視しています」。

新たな視点で独創的アイデアを提案

時代の流れを先取りして「シェアデザイナー」という肩書を掲げたことも。「いわば実験。テーマを絞り旗を立てたら、どんな反応があるかなって」。結果、シェアの相談がどんどん舞い込み、小さくても旗を掲げると効果があると実感した。

2013年には、多分野の人が集まるクリエイティブな活動拠点「Future Studio 大名+」を天神に設立。「自分の未来を描き、踏み出す人を生む場にしたい」という意図通り、活発な交流と活動が広がる場として認知が広まった。そして昨年、その時々で変えてきた自らの肩書を「まちとひとの未来の発明家」と定めた。「まちと人の未来に変化を起こす」という思いを込めている。

そのビジョンを形にしたものの一つが、現在、福岡市中央区清川に期間限定でオープンしている「清川リトル商店街」だ。築約40年のマンションの1階に1坪の小屋が並び、八女茶や雑貨、絵画などが売られている。下野さんが企画し、リノベーション会社に提案して共同で運営している。

「テーマは小商い。初めて実店舗を持つ多様な年代の人たちが、自分の夢がつまった小さなお店を開いています。楽しい空間や人を目当てに近所の子から年配のお客さんまでやって来て、いろんな出会いがある。まちや人に変化が起こり、ワクワクしています」。

独創的なアイデアとフラットな姿勢で、既存の枠を軽々と飛び越え、新しいものを生み出していく下野さん。これからも気負わず楽しみながら、まちや人に新しい風を吹かせてくれるだろう。

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