インタビュー

吉野 賢一先生/栄養補給の意識だけではもったいない、 医療への可能性も秘めた「食べる」こと。

img1609_zemi

「食べる」と「脳」の不思議
栄養補給の意識だけではもったいない、医療への可能性も秘めた「食べる」こと。

今月は九州歯科大学口腔保健学科の吉野賢一先生の研究室を訪ねた。先生は元々農学部から転身した特殊な経歴の持ち主。現大学に助手として赴任してきて、口や歯に関わる神経の勉強を始めたのだそう。

先生の研究のテーマは3つ。昨年から始まったというメインの研究は、時間や場所、心理的な状態によって変化する「美味しさ」の研究だ。例えば同じお弁当でも、1人で食べた時と景色の良いところで食べた時とは、美味しさの感じ方に違いがある。この違いを脳の観点から探っていき、個人によって変わる美味しさの数値化を目標としている。これが達成されると、意思疎通が困難な人が「美味しい」と思える食事を提供するといったような、医療の現場に役立てることができるのだ。

さらに長年研究し続けているのは、口腔内の認知機能と舌の動きと脳の関係性。口にテストピースを含めて形を当てるという実験をすると、年齢が上がるにつれて正答率が下がるという。口腔内の認知機能が低下すると、誤飲してしまう可能性が高くなり、最悪の場合は死に至ってしまうケースも。そこで先生は舌と脳の動きに注目し、様々な動かし方をすることで、口腔内の認知機能が回復することを発見。美味しさの研究と絡めて、医療の現場に役立てるべく、研究を進めている。

今回のゼミは先生の研究をもとに、食べることと脳の関係を紐解いていく。「食べる=栄養補給」と思っているそこのあなた! 食べることの意外な効果をこの機会に学んでみよう。

>>2016年9月16日(金)先生の講義を聞こう!

九州歯科大学 口腔保健学科 口腔保健管理学講座 准教授
吉野 賢一先生

九州大学農学部卒業後、九州歯科大学にて助手、講師を経て現職。1994年から京都大学霊長類研究所にて共同研究員兼特別研修員として2年間勤務し、2000年からトロント大学歯学部口腔生理学講座にて客員研究員として2年間勤務。現在は国家試験を控える生徒達に生理学を教える傍ら、食べる時の脳の働きに着目し、3つの研究を進行中。

ABOUT ME
アヴァンティ編集部
アヴァンティ編集部です。 働く女性を応援するお役立ち情報をたくさん提供していきます!
この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます
インタビュー

佐藤 匡央先生/「健康的な食事」ってどんな食事?考えてみよう、身体がよろこぶ「栄養と食事」のこと。

2012年10月23日
アヴァンティオンライン
佐藤 匡央(さとう まさお)先生九州大学大学院農学研究院 准教授1994年九州大学大学院農学研究院卒業。米国ルイジアナ州立大学医学部シュリー …
インタビュー

上村 忠実先生/シンプルだから奥深い。「詩」の表現にみる「ものの見方」

2015年4月20日
アヴァンティオンライン
上村 忠実先生福岡女学院大学 人文学部 言語芸術学科 准教授福岡県生まれ。西南学院大学大学院文学研究科(英文学専攻)博士前期課程修了後、福岡 …
インタビュー

平田 恭章さん/植物と人、人と人が出会う場に!園芸店の新しい形にチャレンジ。

2017年3月18日
アヴァンティオンライン
植物と人、人と人が出会う場に!園芸店の新しい形にチャレンジ。平田 恭章さんへ3つの質問Q.この仕事に向いている人は?A.もっと知りたいという …