在宅勤務も時と場合により、かつ使いようでしょう。アヴァンティ働く女性研究所のアンケートでは、在宅勤務の経験者に「一番助かったエピソード」を聞きました。今週は、その自由回答をご紹介しましょう。
政府の考える典型的な在宅勤務は、子育て中の女性が利用することを想定しているでしょう。実際、そうした方々からの実例が多く寄せられました。
「子どもの送迎(学童と保育園)が自分でできる。それまでは実家の親に送迎を頼んでいて、心苦しかった。 台風などで公共交通機関が止まっても、自宅で滞りなく仕事ができた」
「自宅が仕事場だったので、子供が小学生の時は、発熱した時なども安心だった」
「子供の急なお迎えや病気の時は、それまでは仕事に目処をつけて退社していたが、在宅勤務なら家で最低限のことができるため、気が楽になった」
「切迫早産で自宅で安静にしていなくてはならない時に1カ月、在宅で仕事ができて、助かった。 プログラム開発の仕事だったので、仕様が固まれば家で開発が可能だった。 また、体調が不安定な時期に上の子どもの保育園への送迎がゆったりとできたこともうれしかった。子どもと一緒にのんびり歩きながら保育園に行ったことを、15年以上経過した今でもよく覚えています」
「通勤時間の無駄とストレスがなくなった。子どもが帰ってきたときに、おかえりが言えることが嬉しいし、安心できる」
ただ、在宅勤務のメリットを子育て中の「女性だけ」に特化すると、妻ばかりが家事育児を担うという性別役割分業を固定してしまいかねません。どうせなら夫も半々で在宅勤務をできる制度や、するのが当たり前といった社会の意識変革につながってほしいものです。
親の介護・看護の時にも、在宅勤務は威力を発揮します。
「自宅で食事の支度が出来、母の介護が出来たこと。皆に迷惑をかけず、心に余裕があり、とても良かった」
「子育ての真っただ中に、実家の母の看護まで必要に。自分の家庭と仕事に加え、実家の支援まで担わなければならなかったが、テレワークで乗り切れた」
どんな時に使いたいかの回答でも4割が挙げていた、「自分の病気やケガの時」。事実、自分の体調不良時に使えてよかったとの声もありました。
「入院中に仕事が出来たこと。病気で入院中も制作作業が出来て、納期に間に合いました」
「体調不良でも、自分のペースで仕事ができた」
「体調が悪く、通勤もきつかった日、在宅勤務ができて仕事がはかどりました」
「定期検診へ行く際、本来なら年休を取るところを在宅勤務をしたことで、通勤時間の1時間分を多く働くことができて助かった」
意外にも、仕事がはかどる、という長所を挙げる人も。アヴァンティ読者の皆さんは、仕事熱心ですね。在宅のほうが、周囲のおしゃべりや電話応対などに邪魔されず、「本来業務に集中できていい」というのです。
「電話や来客、社内の急な打合せなどで仕事を中断されずに、時間通りに仕事ができた」
「集中してやりたい書類審査の仕事。自宅で、電話やアポなし訪問に邪魔されず、効率的に捌くことができる」
また、生活面で楽ちん、という回答も散見されました。
「着替えたり、メイクをしたりする必要がない」
「体力を奪われない」
「勤務時間より移動時間の方がかかる時は在宅がいい」
「家事(例えば洗濯)をしながら朝、仕事をすることで時間の効率がよくなる」
いずれも、さもありなん。会社に制度ができれば、もっと仕事と私生活が両立できるのにと思う人も多いのではないでしょうか。
アヴァンティ働く女性研究所の登録者約2000人にSNS等で呼びかけ、回答を得た。回答期間は8月21日~31日。有効回答数88。回答者は「20〜24歳」から「65〜69歳」までで、最多は「35〜39歳」。
アンケート結果に関するお問合せは、
「avanti 働く女性研究所」まで
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