抱っこの専門家と共同開発「RACCO&ネドコBAG」で起業家として始動

親子の場を続けるため商品を開発
「親も子もどちらも幸せであってほしい」、そんな願いを込めたオヤモコモを山下さんが佐賀市で立ち上げたのは2012年のこと。
25歳で結婚して3児の母になり、子育ての孤独感や悩みを実感。「いろんな親子が交流できる拠点を作ろう」と融資を受けて場所を構えた。
英語教室を開く傍ら、イベントや親子カフェ、雑貨販売などを積極的に企画。親子が集まり喜ばれたが、そもそも親子支援は儲からない分野。
「英語教室の売上を回してもお金が足りず、ひとり頭を下げて寄付を集め、子育てとのバランスも崩れて…何度もやめようと思ったけど、2年半前、続けるために収益の上がる事業をしようと思い立ち、ベビー用品の商品開発をスタートしました」。
覚悟を決め、補助金を受けて再出発。親子の声を取り入れながら、抱っこの専門家と共同で半年かけて完成したのが「RACCO&ネドコBAG」だ。
帆布のバッグが、赤ちゃんにとって心地よい「まぁるい寝床」になるという画期的な商品。
気軽に持ち歩けて、赤ちゃんにとって快適で、しかもオシャレ。2016年にネットで発売を開始すると、1年目に売上が1千万円を超え、その後も伸びている。
第2弾として、この3月には「SUSURU」が誕生。
口(くち)の専門家と開発した有田焼のベビーコップ&スプーンは、初回限定100個がすぐに完売という人気ぶりだ。
ベンチャー企業として歩み始めた
オヤモコモは昨年10月、ビジネスプランコンテスト「さがラボチャレンジカップ」で最優秀賞を受賞。
12月には女性起業家のビジネスプラン発表会「LED九州」でファイナリスト10人に選ばれ、今年2月は「九州・山口ベンチャーアワーズ」で優秀賞に輝いた。
「何度も背中を押してもらって出場したコンテストで思いがけず賞をいただき、ベンチャー企業のスタートラインに立つことができました。これまで“いい活動ですね”と言ってくださる方は多かったけど、“将来性のある企業”と評価され、商品も売れて、ようやく自信が出てきました。
親子交流のコミュニティを続けるためにビジネスを組み合わせて、これからも親子の幸せをサポートしていきたい」と穏やかに話す山下さん。
心身ともに疲れ果て辛い時期があっても、なぜ活動を続けてきたのだろう。
「振り返ってみると私自身、母の表情が暗いとすごく気になるタイプの子で…そこが原点かもしれません。母と子を笑顔に元気にしたい、その一心なんですよ
そして、普通の主婦だった私でもトライ&エラーを繰り返し、多くの人に励まされて想いを形にできたから、いつか私が誰かの夢を応援できればと思っています」
オヤモコモ代表 山下千春さん
佐賀県生まれ。高校卒業後、金融関係で働き、21歳で大学に入学。1年後単身でイギリスに渡り、現地で語学を学びながらボランティアを経験。帰国して25歳で結婚、2012年2月にオヤモコモ始動。高1、中1、小3の母。看護師の夫と弁当作りなどの家事を分担。
六本松 蔦屋書店で期間限定・取扱決定!
◉期間:6月16日(土)〜6月29日(金)
◉場所:六本松 蔦屋書店(キッズスペース)
6月13日(水)にはミニセミナーを開催
赤ちゃんの抱っこや睡眠時に大切にしたい「姿勢」のお話会、離乳食を有意義に過ごす食べさせ方、コミュニケーションのポイントに関するミニセミナーを開催します。
アヴァンティは山下千春さん(LED九州ファイナリスト)を応援します!
経済産業省の女性起業家等支援ネットワーク構築事業の一つで、九州女性起業家応援ネットワーク主催ビジネスプラン発表会「LED九州」が、2017年12月に開催された。
サポーター企業の弊社は、山下千春さんに、アヴァンティ賞として、この1ページを贈りました。