インタビュー

谷口博文先生/起業家精神が社会を、地域を変える 地方創生に必要な人材とは?

谷口博文(たにぐち ひろふみ)先生
九州大学産学連携センター リエゾン部門 教授
ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センター センター長
東京大学法学部卒。大蔵省(現財務省)出身。予算編成や多くの法律に携わり、関東財務局長、金融庁審議官、国土交通省政策統括官等を経て、2009年九州大学産学連携センター教授。専門は公共政策。ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センターで地域政策デザイン論(現:地域政策プロジェクトデザイン)を担当。

 

「社会を変える地域政策デザイン」について
起業家精神が社会を、地域を変える地方創生に必要な人材とは?

今月訪問したのは、九州大学谷口博文先生の研究室。九州大学産学連携センター教授に加え、今年から「ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センター」(略称QREC)のセンター長も兼任し、大忙しの先生を取材した。アントレプレナーとは起業家や起業家精神を持つ人のことで、QRECは、台湾からの留学生、ロバート・ファン氏が米国で起業家として大成功し、その寄付で設立された。自立心、向上心、グローバル意識をもち、新しい価値創造にチャレンジするリーダー人材の輩出を目的としている。

「地域政策デザイナー」を育て大学から地域への社会貢献を

財務省に長く務めた谷口先生が九州大学で2010年から手がけたのが、経済団体やマスコミ等との共同事業として開催した人材育成プログラム「地域政策デザイナー養成講座」だ。学生や民間の企業人、行政職員などの社会人が集まって半年間の講座を受講し、チームに分かれて政策デザインをまとめる。地域の課題を把握し、国内外の情勢や近い未来を俯瞰できる広い視野を持って、政策を立案する思考を育てる内容だ。今年のテーマは、「地方創生総合戦略に関する事例研究」。10月開催の政策研究発表会に向けてラストスパートの時期だ。

講座の成果は、実際に国や自治体への政策提言や具体的な事業提案として活用され、これらの活動は大学による地域への社会貢献として、経済界や官界から高く評価されている。ひとつの課題に真剣に取り組んだ受講生には固い絆が築かれ、企業の垣根を越えた修了生のネットワークが続くのも魅力だ。

地域政策にはビジネス視点が不可欠

「政策立案、というと行政の仕事で、民間の起業・ビジネスとは関係ないと思うかもしれません。でも実は地域政策とビジネスモデルは、 〝課題を解決する〞 という意味でとても近い関係なのです」と谷口先生。

全国的に「地方創生」が叫ばれる今、地域社会の課題解決をしながら、かつ収益があがる仕組みを作ることは、これからの各地方自治体の急務。税金にすべて頼るのではなく、自分たちで稼いで自立することが必要で、それは様々なニーズに対して問題意識を持ち、課題解決をビジネスチャンスと捉えてアイデアを競う起業家の発想と同じだという。

「現場ではワクワクする気持ちと場作りを大切にしています。ここだったら何かやれそうだ、面白そうだ、という雰囲気が、リスクを恐れず、チャレンジに踏み切る動機になる。中央省庁に比べると閉塞感や既得権のない、九州・福岡という地にも、ワクワク感やチャレンジ精神が育つ土壌としての可能性を感じています」。

今度のアヴァンティゼミでは、地域政策デザインとはどんなものか、福岡で具体的に提案された事業例などを交えながら、学んでみよう。起業家の気持ちで自分たちの住む地域をイノベーションしていく面白さを体感してみない?

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