インタビュー

山家 勉さん/造り手と売り手と飲み手の 「相思相愛」

山家 勉(やまが つとむ)さん
無法松酒造有限会社 取締役
北九州市出身。専門学校を卒業、製造メーカーの職をいくつか経た後、32歳で無法松酒造に入社。

山家さんへ3つの質問

Q. あなたのメンターは?
A. 福岡県にあるB酒造の宮田氏。勝手に「焼酎の父」と仰いでいます。

Q. あなたのバイブルは?
A. 高知県にあるT酒造の池田杜氏の「酒は蒸しだ!」という言葉。

Q. この仕事に向いている人は?
A. 地道にコツコツやっていける人。

造り手と売り手と飲み手の 「相思相愛」

創業135年、自然が豊かで水がきれいな平尾台のふもとで伝統の酒造りを営む無法松酒造。山家勉さんはその若き担い手だ。学生時代は美術の道を志したものの違う道へ。専門学校を卒業後は、家に戻りたくないため、仕事を転々とした。そんな中、先代である父が末期癌に。 家族は、裏切れない。「腹を決めてやるしかない。」と家業を継ぐ決心をした。

ゼロからのスタート

実際に入った酒造りの現場は想像以上に厳しかった。 造り酒屋の家に生まれ育ち、馴染みはあるものの、実際の造り方や流通に関しての知識や経験はなく、ゼロからの出発だった。「お前はスター トから他と相当差がついているから、人一倍努力しなければだめだ」という父の言葉を胸に、必死にその差を埋めようと頑張った。様々なことを覚えていく中で、自分なりの新しい試みにもチャレンジした。「一睡もできない時もありました」というくらいに試行錯誤した時期もあった。焼酎の造りも、少しずつではあるが、レベルアップしていった。「自分たちのような小さな酒蔵でも、大手レベルのことができるんだ」。このことは山家さんの最初の確かな自信となった。

守りながらも、変化を与えていき成長する

「今のものに満足するのではなく、もっともっと良くしていきたい」という山家さん。清酒造りに新しい風を起こそうと、今まであまり力を入れていなかった辛口の酒にも改良を加えたりと試みを続けている。「守るべきものは守る。でも変化していかないと成長がないと思うんです」。 今年の春からは「相思相愛」というお酒を全国展開予定だ。その名に込められた思いは、“造り手と売り手と飲み手のイイ関係”。「普段飲む何気ない一杯にも、それができるまでには様々な工程があり、たくさんの人や思いが関わっていることを知ってほしいんです。卸さんや酒販店さんとも協力しあって良い酒を造り、業界を盛り上げていきたい」。 昨年からは約20年ぶりに蔵開きを再開した。地域の人達が田植えから製造工程にまで関わる、地域密着の酒造りが注目されている純米酒「環の雫」の新酒も4月から店頭に並ぶ。景気低迷やデフレで、アルコール類、酒類全体が伸び悩む、そんな今だからやりたいことはいろいろある。酒造りの現場や業界ではまだまだ若手で修行中。だが経験がないからこそ持てる、新しい視点を活かす。

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