決め手は面白そうなことができそうな福岡の空気感でした。
森本 太郎さん(33歳)
ヴィンテージビルのリノベーションとして有名な「山王マンション」の1Fで、3Dプリンタなど様々なデジタル工作機械を使ってものづくりを行う『ファブラボ博多』を運営する森本さん。一昨年までは、店舗設計や内装を手がける企業の海外駐在スタッフとして、香港で働いていた。初めての海外勤務は出合うものすべてが刺激的で楽しかったが、やがて自身の働き方を見直すような問いに出合った。
「日系企業で上司も日本人だったので、残業や時には休日出勤してでもがんばるような、いわゆる 日本的 な働き方をしていました。そうしたらある時ローカルの知人に『なんでそんなに頑張るの?』と聞かれて。いろいろ考えたんですが、結局返す言葉が見つからなかったんです」。
現地では雇用契約時に交わされていない仕事はしないことが当たり前。バカンスや家族との時間を楽しみ、仕事も楽しむ友人たちの姿を見て、森本さんも「仕事最優先ではない、自分らしい生き方や暮らしをしよう」と決意。独立を決めた。
次に住む場所を縁もゆかりもない福岡に決めたのは、ほぼ直感に近いという。「東京は競争が激しいし、学生時代を過ごした京都とも迷いましたが、新しいことができそうで海外にアクセスのいい場所はないか、と考えたときに浮かんだのが福岡でした。まちにも活気があって、面白いことができそうな空気感を感じました」。飛び込んでみたら、縁は次々とやってきた。リノベやデザイナーズの部屋に住みたくて探していたら今の山王マンションに出合って入居。世界中に広がるものづくりのネットワーク「Fablab」のことを知り、早速マンションの管理会社に相談したところ、とんとん拍子に話が進み、めでたく今年の3月に『ファブラボ博多』をオープンする運びとなった。「今が一番楽しいですね。幸せです。これから福岡を拠点に世界とつながり、かつローカルな仕事をもっとやっていきたいと思っています」。
ファブラボ博多
http://fablabhakata.com/
住所/福岡市博多区博多駅南4-19-5 山王マンション1F
mail/contact@fablabhakata.com
営業時間/土・日曜 10:00-19:00(平日は見学のみ可。事前に上記メールへ連絡)
1.現在は空間デザインとマネジメントを行う会社を設立。市内に部屋を借りて質のいい空間を作り上げ、ゲストハウスとしてAirbnbで海外の旅行客に提供するビジネスも行っている。/2,3.現在は空間デザインとマネジメントを行う会社を設立。市内に部屋を借りて質のいい空間を作り上げ、ゲストハウスとしてAirbnbで海外の旅行客に提供するビジネスも行っている。/4.オープニングパーティには80名が訪れた。「福岡の人は温かいです」。
目次
- わたしたちのまちの魅力 再発見! 福岡×移住
- [福岡×移住・case1] 震災をきっかけに福岡へ。“よそ者”だから分かる糸島の魅力を伝えたい。
- [福岡×移住・case2] 決め手は面白そうなことができそうな福岡の空気感でした。
- [福岡×移住・case3] 福岡は、「洗練された田舎暮らし」ができるまち。縁とタイミングで拠点を福岡へ。
- [福岡×移住・case4] 古民家に一目惚れし、10年計画でうきはへ移住。
- [福岡×移住・case5] 子どもたちに“ふるさと”を作りたくて、北九州でゼロからの開業。
- [福岡×移住・地域のつなぎ手にききました] 福岡の「余白」と「可能性」にかけてもっとおもしろいまちへ。
- [福岡×移住・地域のつなぎ手にききました] 移住者と地域の橋渡しはさながら“仲人”のような仕事です。